2009年2月18日水曜日

多足歩行機械をもう一度考える(2)



かなり間があいてしまいましたが、前回ご紹介した四足歩行(走行)メカニックを、今回も、引き続き、画像を交え、解説していきたいと思います。
今回は、本メカニックのディティールや各部の機能の詳細を、順を追って説明していきたいと思います。



まず、足回りですが、歩行を可能とする脚部分の先には、それぞれ、整地や路面での機動性を高めるため、車輪が設けられています。

車輪は、一足につき、ふたつが一組となっており、それぞれのホイルの内部に、強力なモーターを四基搭載しています。つまり、左右の両輪共々、独自の動力源を持つことになります。
ふたつの車輪に挟まれた部分にある、グレーの円筒形の部品が、ステアリングを司るモーターで、このモーターが、ふたつ一組になっている車輪を左右に旋回させて、操舵をしています。このそれぞれの車輪は、独自の動力をもっているため、左右で逆方向に回転させることができ、ステアリングを切るさいに、車輪の動きをスムーズにします。

サスペンション機能は、脚部の関節にあるモーターが、その代用を勤めています。足先や胴体下部に路面状態を検知するセンサーが多数設けられており、路面の凹凸にあわせ、各脚部が上下し、衝撃を吸収します。
多少の不整地であっても、本機は、スケートリンク上のスケーターのように、前後左右に、なめらかに移動することができまし、超心地旋回も難無くこなします。極端な不整地では、車輪を止め、四本の脚による歩行を行って、移動します。



続いて今度は、作業アーム部分について解説していきます。

前回の記事でも触れましたが、アーム部分は、通常はコンパクトに折り畳まれおり、作業時には展開することとなります。

先端のマジックハンドは、災害時に人命を救助するさい、破壊された建物や障害物を取り除くためのもので、ハンド部分の先端には、バーナートーチが内蔵されており、鉄骨などの金属製障害物を切断したりすることも可能となっています。
また、バーナートーチは、2本の指部分の内側にもあり、障害物を2本の指で挟んだ状態で、切断作業をすることもできます。
マジックハンドの根元には、各種センサーやライトがあり、各種作業をサポートします。

ただ、このバーナートーチは、あくまで補助的なもので、その威力にも限界あるため、切断作業が手に余る場合には、作業腕本体(下腕部分)を、切断作業専用のものに交換する必要があります。

作業腕部分の交換作業はいたって簡単で、腕部分後方のラッチを回して外し、個別の作業に適した腕を取り付けます。
個別作業用の腕はいくつもバリエーションがあり、なかには、溶接作業ができる腕や、チェーンソーを持つ腕などがあります。

各種の専門ツールを装備することで大きな力を発揮するこのアームは、しかし過大な重量物を持ち上げるといった作業にはむいておらず、そのさいは、クレーンを持つ別のメカニックの援助を受けなくてはなりません。
本機は、極めて柔軟な作業をこなすマルチユーティリティーメカニックですが、決して万能ではなく、実際には、性質の異なる同種のメカの助けが不可欠となります。



足の付け根は、大きな力がかかる箇所でもあり、強力なモーターにより各個駆動されています。
また、この部分(胴体下部前面)には、コンパクトながら、ウインチも装備されています。赤い三角の下に、グレーのパーツがありますが、この奥に、ウインチ基部があります。



さて、次回は、また別のメカニックをご紹介したいと思います。

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